5年に1度開催される国連犯罪防止刑事司法会議が7日、国立京都国際会館で開幕した。「京都コングレス」と名付けられた第14回会議は、12日まで開かれる。新型コロナウイルス(中共ウイルス)が世界的に蔓延して以降、日本では初の大型国際会議だ。期間中のテーマ別セッションでは、テロ、偽装医薬品、オンライン犯罪、子供と司法教育のほか、臓器摘出のために行われる人身売買に関する問題も取り上げられる。
菅義偉首相は開会式の演説で、コロナ禍により「サイバー攻撃やオンライン詐欺などが相次いだ。危機の中で耐え忍ぶ人々の心を踏みにじる行為で、断じて許されない」と述べた。日本はホスト国として「ポストコロナの国際秩序づくりに指導力を発揮していく」との意思を示した。他にも上川法務大臣、高円宮妃久子殿下、辻法務省事務次官、林真琴検事総長が声明を発表した。
アントニオ・グテーレス国連事務総長は、パンデミックによって引き起こされた混乱は、犯罪者に新たな機会を与えていると強調した。同氏は米ニューヨークからオンラインで参加し、演説はライブ中継された。今年の議題は、現在の危機における防犯と刑法を強化するための対応になると述べた。
国連犯罪防止刑事司法会議の開催事務は、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)が務める。国連加盟国193カ国のほとんどの国の最高レベルの司法当局者が、オフラインあるいはオンラインで参加する。会議では、世界の犯罪防止・刑事司法分野の専門家が諸課題について議論し、知見を共有する。
開催されたセッションでは、インターネットを介した向精神薬・非医療用合成オピオイドなどの危険物質の密売など違法取引を阻止する司法の強化や、親が投獄された場合の子供たちの教育や生活に関する問題の認識を高めるなどのテーマについて話し合われる。11日には、中国における国家規模の臓器収奪問題に取り組んできた、デービッド・マタス人権弁護士による臓器売買と臓器摘出目的の人身売買に関するセッションが開かれる。
日本は、1970年に欧州以外の国として初めて、京都で第4回同会議を開催。日本開催は約50年ぶりだ。法務省は、京都コングレスの開催にあたり、法の支配などの普遍的価値を、日本国内のみならず世界にも行き渡らせようとする取組である「司法外交」を推進すると表明した。
(佐渡道世)
(転載:https://www.epochtimes.jp/p/2021/03/69635.html)