第3回 社会の管理人、リーダーとして、臓器収奪と闘う責任を担う政治家たち

世界サミットの第3セッションでは、国内・国際的な立場の政治家や議員が、それぞれが代表する地域と中国との連携の意味に、広範な視野で言及します。国内問題を正当化する「国家主権」の主張が試されています。このセッションの中心となるのは、人間に対する責任と配慮であり、それは人間の価値と倫理規範を守ることを意味します。
2021年9月19日
1. Ann-Sofie Alm

アンーソフィー・アルム

スウェーデン:国会議員

スウェーデンの政治家。2018年よりスウェーデン議会議員。対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)のメンバーでもある。

【日本語訳】

お話する機会を与えていただき、感謝しております。

スウェーデンの国会議員、アンソフィー・アルムです。

中国は、暗く血生臭い歴史を持つ共産党に支配されています。 中国の人々は長い間、圧制的な独裁体制の下で生きてきたため、真の自由とは何かを知っていた世代は、古い文化や伝統の知識とともに消えてしまいました。

中国は今や経済的な世界大国です。中国共産党は世界征服を目標としていることを明言しています。そのため、世界の自由主義地域に対して、静かながら効果的に戦争をしかけています。

武器のない戦争です。「金銭」という武器で武装し、知識やインフラを買い取っています。

自由主義国の企業が、中国からの低コストの商品や部品の生産に経済的に依存するようになる戦争です。

共産主義の人権侵害に疑問を持つ企業に対して、経済的に懲罰する戦争です。

中国共産党は中国での権力を維持するために、多くの方法で国民を弾圧しています。

自由に発言する権利はとっくに失われ、自分の信念を貫く権利も存在せず、国民は外界からの情報はすべて検閲されています。

体制に反対する者は迫害され、公正な裁判を受けることなく刑務所に入れられ、意思を変えるまで拷問されます。ウイグル人や法輪大法(法輪功)学習者への容赦ない迫害があり、大量虐殺が続いています。

この恐ろしい迫害は、何十年も続いています。いまだに続いているのは残念なことです。

スウェーデン人の桂民海さんは、 タイでの休暇中に誘拐され、中国で公正な裁判を受けずに投獄されました。

中国共産党が管理する全体主義的な権力構造は、何十億(ドル)という巨額の費用をかけて、 他国の専門知識を買収しています。

そのためか、中国では良心の囚人を犠牲にする「違法」な臓器移植が、いまだに行われています。

自発的提供していない囚人の臓器の入手は無料で、非常に高価に売ることができるのです。

欧米では、臓器移植が不足しています。臓器移植の待機には一生かかるので、多くの人は生きるためにかなりの大金を払ってでも臓器を入手しようとします。

一方、中国では、臓器の待ち時間がありません。病院に電話をして、旅行のスケジュールに合わせて心臓を注文することも可能です。

もし追加料金を払う気があるなら、法輪大法の学習者から新鮮で健康な心臓など、より健康な臓器を手に入れることもできます。

実に不快で悲しいことです。健康な心臓を持つ人が、誰かが発注したがために死んでいくのです。自然死ではありません。

私は、ロンドンで行われた「中国(臓器収奪)民衆法廷」の裁定を読みました。想像を絶する非人道的な虐待を受けた囚人たちのおぞましい証言も読みました。また、まだ息のある囚人の身体にメスを入れて臓器を摘出した外科医の証言も読みました。計画的に刑務所と臓器移植病院が併設されていることを示す地図も見ました。

この報告書を決して忘れることはありません。臓器収奪に対して決して沈黙することはいたしません。

中国共産党が自国民に課しているこの残酷で邪悪な人権侵害について、世界は認識する必要があります。

私はスウェーデンの一国会議員に過ぎません。一人では、たいしたことはできません。一人では、共産党は私を黙らせることができると考え、そのために私を脅して黙らせようとしています。 しかし、私は一人ではありませんので、彼らは私を黙らせることはできません。

スウェーデンも他の国々と同様、目を覚まして、現実を直視する勇気をもっています。スウェーデンの政府、議会、企業、そして国民は、中国で何が起きているのかに目を覚まし始めているのです。

そしてこの意識は、国から国へ、国会から国会へ、仲間から仲間へと、日々高まっています。

私たちは知識を持って、この状況を変えることができますし、変えていくことができます。

共になることで強くなり、共になることで状況を変えることができます。共になることで良心の囚人を殺害する違法な臓器売買を止めることができます。

今でもこのことが起きていることに胸が痛みます。

私は、EU、米国、その他の自由主義社会すべての代表者と共同体に対し、中国の人権のために立ち上がり、中国の良心の囚人からの違法で非人道的な人体臓器の取引を停止するよう求めます。

今すぐ止めなければなりません。

このような恐ろしい犯罪を犯した者は、裁きを受けるべきです。

改めて、心の内の思いをお話しする機会をくださったことにお礼を申し上げます。そして、中国での違法な臓器収奪を阻止すべく皆様が行われている活動すべてに、心から感謝いたします。

私たちは共に、 中国でのこの恐ろしい人権侵害を阻止しましょう。

ご清聴ありがとうございました。

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2. André Gattolin, PhD

アンドレ・ガットリン PhD

フランス: パリ、オー・ド・セーヌ上院議員

フランスの政治家(La République En Marche党)、学者。2011年10月からフランス上院議員を務め、現在は外交・防衛委員会の副委員長、欧州問題委員会の副委員長を務めている。また、欧州評議会(PACE)の法務・人権委員会、欧州安全保障協力機構(OSCE)の民主・人権委員会のメンバーでもある。対中政策に関する列国議会同盟(IPAC)の共同議長を務める。個人的に、また選出議員として、欧州とアジアの民主化運動を擁護してきた。 

【日本語訳】

紳士淑女の皆様、

まず最初に、このイベントの主催者の皆様に、お招きいただきましたことを心より感謝申し上げます。

2011年から国会議員として活動しており、私は政治的な取り組みとして、国際的なレベル、特に欧州やアジアにおける人権問題や法の支配の尊重に強く焦点をあてています。

議員連盟「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」は、現在、世界の約20カ国余りの民主主義議会を網羅します。IPAC共同議長として、強硬に出る一方の中国政権の抑圧的で侵略的な政策を前に、各国政府の協調と結集を呼びかけています。

人権・国際法に対する中国の侵害がますます顕著になっていることに対応して、IPACは設立1年目にしてすでに大きな進展を遂げてはいますが、目立たない特定の問題について、国際世論を動かすことに苦心していることは否めません。

私は特に、欧米の学術・科学界に対する中国の浸透、過去22年間の中国本土での法輪功修煉者に対する生体臓器収奪と暴力的な抑圧の醜行について思議しています。

後者に関して、欧米の国会議員の多くが凄まじい規模の現象についてまだ十分に認識していないことを認めざるをえません。

この点は特にフランスで目立ちます。 認識されない主な理由を私の視点から概説したいと思います。

まず第一に、中国政権によるこの問題への厳しい規制が挙げられます。この現象の規模に関する正確なデータを入手したり、現地で独立調査することはほぼ不可能です。

また、中国で起きている生体臓器収奪に関して疑問を投げかければ、すぐに極端な反共産主義や反中国とレッテルを貼られる危険性があります。

右派・左派を問わず、フランスの歴代の指導者たちは、長期にわたり中国に対して非常に寛容でした。ドゴール大統領時代のフランスは、中華人民共和国を最初に承認した国の1つであり、以降、この政権との不純なつながりが深まり続けています。

今日でも我が国では、中国の労働改造制度よりロシアの強制収容所の方が非難しやすい状況です。

中国での生体臓器収奪に関して疑問を投げかけることは、自分自身を中国政府からの激烈で憤怒に満ちた反発や、時には商業的・政治的な報復に身をさらすことになることは言うまでもありません。そのため、フランスに限ったことではないですが、この惨たる「沈黙の外交」が存在します。

第二に、大多数のフランス人にとって、生体臓器収奪は理解が追いつかない問題であると指摘する必要があります。メディアはほとんど報じません。合法か違法かにかかわらず、臓器移植の問題は我々の社会では、ほぼタブー視されています。人口のごく一部だけにかかわることで、移植を待機している者たちの苦しみを考えると、存命のための「医療ツーリズム」も容認してしまうようです。このような手術の恩恵を受けた患者は、その行為を非難することはおろか、自分たちが受けた臓器の出どころを問うことさえ躊躇しています。

「沈黙の外交」に加えて、患者と医療従事者間の「沈黙の法則」が存在します。政治レベルでは、臓器提供が意図的、自発的、匿名であることを定めた規則が賞賛されがちですが、我が国で移植臓器が恐ろしいほど不足していることには、慢性的に直視しません。科学界では、人工臓器の製造における技術的進歩と、実際の移植の成功を指摘することを好みます。

最後の点として、臓器収奪の犠牲者の多くが、法輪功のような宗教上の少数派であり、中国政府が「カルト」と喧伝するため、フランス国民の間で不信感を招いています。世俗主義という時にはかなり不寛容な概念が一世紀以上にわたって蔓延した我が国では、偏狭な宗派からの告発は忌まわしいことに聞こえ、考慮されることなく一蹴される傾向にあります。

法輪功がこの範疇に該当しないことは、我国の「セクト的逸脱行為関係省庁警戒対策本部」(訳注:カルト的な特徴を持つ活動が起こす現象の分析も行う機関)が、すでに幾度も指摘しているにもかかわらず、この傾向は続いています。中国政権はプロパガンダを駆使して、法輪功は「受け入れられない」「擁護できない」というイメージを植え付けてきました。

個人的には、この問題の深刻さを真に認識できたのは2018年になってからです。私が上院で企画した人権への新たな挑戦に関するシンポジウムで、「生体臓器収奪に反対する医師団(DAFOH)」を代表してアレクシス・ジェニン氏が行った非常に素晴らしいスピーチがきっかけでした。そして、この悪辣非道な状況に立ち向かうための政治的な方法を議論し始めたのです。

国会議員の職責として、法律改正を要するような状況に直面した場合、まず第一に、実行するための立法手段を見出すことです。

もちろん、この問題について法案を提出することは可能ですが、道のりは長く、特にフランスの制度上、落とし穴が数多く存在します。私の同僚議員であり、IPACのメンバーでもあるフレデリック・デュマ氏は、2020年9月に「欧州以外のパートナーによる臓器提供の倫理的尊重を保証することを目的とした」文書を国民議会に提出し、この問題に挑戦しました。

残念ながら、委員会での審査の際に6つの条文が削除されてしまったため、彼女の文書は本会議には提出されませんでした。フランスの法律は迷路のようであり、却下の理由は、文書に技術的な弱点があったこと、提案された措置の法的な運用が不可能であることでした。

この1年近く前の2019年10月、フランスの生命倫理に関する法律の改正を機に、ロリアンヌ・ロッシ議員とともに、日刊紙「リベラシオン」に「フランスは臓器収奪に反対することに専心しなければならない」と題した意見コラムを掲載していました。国民議会に提出した文書の審査に先立って、この問題におけるビジビリティを高めるためでした。しかし、修正案はすべて委員会で認可できないと見なされました。

このような挫折にもかかわらず、我々は2015年3月25日にスペインのコンポステーラで開かれた欧州評議会で締結された「ヒトの臓器売買禁止条約」にフランスが調印していないことへの驚愕を、議論の場で表明しました。同条約には、この分野の法律面で進展させるための多くの事項が含まれています。

粘り強く努力を重ね、最終的にこの協定に署名するという政府のコミットメントを得ました。2019年11月25日に正式な調印に至りました。しかし、調印の際、フランスは、第三国への訴訟手続きを厳格に制限するフランス刑法の特殊性を理由に、3つの留保を表明しました。

さらに、条約は議会で批准されて初めて発効します。ここでも我々は、同条約を立法の議題に加えるよう繰り返し要請しました。つい最近、同条約が来年秋には議会に提出され、批准されるという確証を得ました。

留保の解除を求める我々の要請に関しては、これまでのところ、政府の意向に関して矛盾した情報しか得られていません。

いずれにしても、同条約の両院通過の過程は、同僚議員たちとより深く意見交換する機会となることでしょう。

短期的には、中国での臓器収奪に強硬な措置を取る法的枠組みは期待できませんが、次の2段階での行動は可能です。

1) この問題を国際メディアや政治的な議題として上げていく。中国の権威主義的な傾向と度重なる国際法の侵犯により、欧米の首脳陣は、これまで中国に対してナイーヴに目をつむってきた態度を捨てるようになりました。ウイグルへの虐待に対する最近の認識、台湾への支持の高まり、コロナの起源に関する調査を妨害する中国当局への批判の高まりなどからも明らかです。

2) また、神聖な医療・保健における協力という名目で、今日の中国で見られる恥ずべき濫用につながる技能やテクノロジーの移譲を警戒することなく進めてきた特定の先進国の責任を追及すること。中国で臓器収奪産業が実際に発展した源流には、フランスなどの複数の国家が、多くの中国人外科医の養成に広く参与し、極めて高度な臓器移植の技術を伝授した事実があることを忘れてはなりません。原則として、医師の養成には何の問題もありません。しかし、純真すぎるほど信頼していたことが、裏切られたのです。結果を監督することを主張せず、知識の共有と科学的人道主義の名のもとで欺かれた者たちは、未だに自身に割り振られた責任を認めようとしません。

悪いことに、我々は過ちを繰り返しています。中国が掲げる「自分のものは自分のもの、他人のものは共有可能」とする馬鹿げたルールのため、今回のCOVID-19ほど事態が悪化したことはありません。

フランスが中国に、安全性の高いウイルス研究所の設立を許可したことは、もともと善意であったことは間違いありません。

正式には、2000年代初頭にSARSが大流行した後、未来のパンデミックを研究・予防するために、中国にはなかった一流の機器の設置を支援することが目的でした。

とても良いことです。しかし、透明性、監視、互恵性を求めることを放棄してまで、行う必要があったのでしょうか?

この協力関係の恩恵者たちが、国内での研究と共同研究の境界線が曖昧になっていく過程を受け入れることは妥当だったのでしょうか?

武漢のセキュリティの高い研究所は、各国のチームが集まる国際的な研究の場になるという当初の約束からはかけ離れ、中国軍が統治するシェルターとなり、あまり勤勉ではないWHO調査団の入国も、「清掃」の後にかろうじて受け入れる状態でした。

共同研究の見返りは?パンデミックを主に欧米諸国のせいにしようとする中国のプロパガンダが

それでは、権威主義政権が統治する国家とのあらゆる形態の医療協力を停止するべきでしょうか?私はそうは思いません。保健とは人類に共通するものであり、COVID-19のパンデミックは医療危機が国境線によって分けられないことに気づかせてくれました。

しかし、科学と医療面での協力関係について、絶対に見直す必要があります。これらの分野での協力では、互恵性・責任所在・高い基準を以て初めて、本質的な倫理問題の提起が可能となります。

バランスのとれた協力関係の根底となる原則は、何よりもまず当事者間の透明性です。これで、実行のプロセスや知識の活用を相互に評価することができます。つまり、技術譲渡を求めるのなら、それがどのように使われるかをこちらが把握する権利があるのです。

基礎研究から、応用研究を経て、産業発展に至るまで、当事者の貢献が不正に利用されたり独占使用されたりする危険性は極めて高いものです。そのため、最初に署名した契約を永続的に管理し、責任所在を明確にすることが求められます。

このような医療・保健における協力規定の強化は、まさに世界保健機関(WHO)の職責です。しかしながら、今のところWHOがこのような取り組みを行うことはなさそうです。

しかし、諦めることは筋違いです。真に国際的なイニシアティブがない場合、EUレベルで行動できる余地があるかもしれません。

近年、北米や豪州などでは中国への技術譲渡や科学協力に対する警戒心が高まっています。

この分野では、欧州はまだ慎重に動いている初期段階にあり、中国政府は、EU加盟国のアプローチの違いや利害関係が、自国に有利にはたらくよう巧みに利用する方法を心得ています。

COVID-19のパンデミックのおかげで、この課題に取り組むための保健に関する政策は、国家の法的権限下で厳密に捉えるものではなく、真に協調しながら資源を活かすことが欠かせないと欧州は認識しました。

米国生物医学先端研究開発機構(BARDA)をモデルにした共通の研究機関が設立されたばかりです。また、共通のヘルスパスや、医療基準の相互運用性も導入されています。

現在のところ、第三国との医療・保健の面での協力に関する規則は欠如したままです。

このため、保健に関する欧州の政策に、倫理的・運用可能な枠組みの定義を補完することをEU首脳に強く求めます。

人権やガバナンスのモデルにおいて中国は「体系的に異質なライバル」と位置づけることで、EUはすでに中国政府からのあらゆる干渉を防ぎ、経済・科学・学術上の協力において、より警戒心を深めています。

欧州連合(EU)も、共犯者になる危険にさらされており、中国政権が犯している人間の尊厳と基本的権利への度重なる目に余る侵害を糾弾するために、具体的な措置を取るべきです。

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3. John Hoffman

ジョン・ホフマン

米国:上院議員(ミネソタ州)

ジョン・ホフマンは、2012年にミネソタ州で初当選。上院第36区の上院議員を務める。現在、Human Services Reform as Ranking Minority Member、Aging and Long-Term Care Policyの委員会メンバー。ミネソタ州議会議員に選出される前は、2005年からアノカ・ヘネピン学区の理事。それ以前は、ロドニー・ペイジ米国教育長官から連邦省庁間調整評議会のメンバーに任命され、生誕から8歳までの子どもと家族、特に特別な医療を必要とする子どもへの対応について、閣僚を補佐し助言した。妻のイヴェット、娘のホープとともにチャンプリンに在住。

【日本語訳】

皆さん、こんにちは。このたびはお忙しい中「生体臓器収奪の阻止・撲滅に関する国際サミット」にお時間を割かれ、生体臓器収奪という信じ難い話について議論する機会をいただき、感謝いたします。

生体臓器収奪の阻止・撲滅に関する国際サミット」は、人権、信教の自由、中国の不正な移植行為に関する国際的な専門家を一堂に集めるものです。長年にわたり、この恐ろしい慣習を終わらせるために、世界中の人々が呼びかけに応えてきました。

各国のあらゆるレベルの政府の指導者は、このような人権侵害がなくなり、誰もが強制される恐怖から解放されて自由に生きる機会を持てるようにする責務があります。生体臓器収奪は、この恐怖を意味します。このイベントを企画した「臓器の強制摘出に反対する医師団」(DAFOH)に感謝いたします。

DAFOHは、2006年に医師により設立された非営利団体です。非倫理的で違法な臓器収奪に関する客観的な事実を医療界や社会に提供するために活動しています。同時に、人間の尊厳のための倫理基準を守っています。国際サミットは、この「人間の尊厳」について話す場です。

この問題、何が起きているのかを最初に知らされたとき、私は芯から心が揺さぶられる思いでした。生体臓器収奪は、実に恐ろしい行為であり、目の前に提示されるまでは受け入れることが難しい問題です。人の命を奪い、臓器を部品のように扱ってお金や見返りを受け取っている人たちがいることに、私はいまだに恐怖を感じています。

ミネソタ州では、仲間の議員たちと協力して、基本的人権の痛ましい侵害に反対して行くことを国に求める決議を支持しました。私たちの取り組みはまだ成功に至っておりません。この犯罪の加害者と我国との関係が起因しているのかもしれません。加害者が多くの国と経済的な結びつきがあるため、穏やかに扱いたいと願っている人々がいるのです。各々が必ずしも意図したわけではない国際的な沈黙の中で、恐ろしい行為が存在しています。この沈黙のため、何が起こっているかを知っているのは一握りに過ぎません。

しかし、DAFOHのような団体が多くの情報を発信することで、金銭的な利害関係では止めることのできない波、つまり人間の尊厳と人権に関わるうねりが生まれていくことでしょう。

私は、粘り強く真の強さを持って、私たちが一丸となって取り組むことで、生体臓器収奪を永久に終わらせることができるという希望を持っています。この問題に光を当て世界に示してくださったことに感謝します。

この光に焦点を当て続けましょう。そして、この恐ろしい犯罪を終わらせるために共に取り組み続けましょう。

ご清聴ありがとうございました。

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4.Françoise Hostalier

フランソワーズ・オスタリエ

フランス:元大臣 国会委員。

フランスの政治家。元教育大臣、ノール県議会副議長に2度選出されている。フランス文部省の名誉監察官。人権擁護者であり、アフガニスタンの専門家でもある。

【日本語訳】

まず、この世界サミットの主催者に感謝するとともに、祝辞を送らせてください。臓器売買というあまり知られていないテーマを、多くの専門家があまりにも頻繁に意図的に無視してきました。

ある日突然、周囲の人や自分に影響するかもしれないテーマです。臓器移植、そして知らないうちに人身売買に巻き込まれる危険性についての話です。

私たちは皆、医学の進歩に賛同しています。現在の医学の進歩には、しばしば驚かされます。1967年12月3日に南アフリカでクリスティアン・バーナード教授が行った最初の心臓移植、そして1968年4月27日にフランスでクリスチャン・カブロル教授が行った心臓移植を思い起こしてみましょう。 当時は信じられないような冒険だと思われました。現在では、心臓だけでなく、顔、子宮、母体、切断された手足の移植など、何でも移植できるようになりました。

これは科学の進歩の素晴らしい側面でもありますが、単なる医学上での登録を超えて実際の人体への介入が伴われるため、些細なことではない医療行為を矮小化してしまう危険性もあります。

ラブレーが『パンタグリュエル』で言ったように「良心なき科学は魂の破滅に過ぎない」のです。1532年ですでに、作家や哲学者たちが、科学の行き過ぎた行為に疑問が投げかけていました。今日の中国の行動、特に臓器収奪と潤沢な移植手術を知ったら、彼らは何と言うことでしょう?

多くの国、特にフランスでは、レシピエントを配慮して、臓器提供者に匿名義務が設けられています。提供者の家族が提供先を知ることは不可能です。また、わが国の公立病院では医療倫理上のトレーサビリティが確保されていますので、人身売買による臓器を移植することは不可能です。

とはいえ、類似行為、マフィアのネットワーク、不誠実な外科医が存在することは確かです。しかし、こうした行為を規制するための法律があり、悪徳医師は厳しく罰せられます。

また、人間としての価値を尊重することを基盤とする私たちの社会では、中国で起きていることは想像を絶します。国家レベルで、明らかに同意のない生きている人間を対象に、臓器売買が組織的に行われていることが、どうして想像できるでしょうか。私たちの理解を超えるものです。これに関しては、他の専門家がこのサミットで解説してくれることでしょう。

こうした事実は、1990年代から知られていました。当時は、死刑判決を受けた政治犯から、死刑執行後に臓器を摘出していました。しかし、移植の需要が高まるにつれ、そして何よりも科学が進歩し、ヒトの素材を利用する多くの可能性が出てくるにつれ、「健康で生きている人間の群れ」を手元に置き、非常に潤沢な手術のために「使える」ようにすることが現実となりました。

そのためには、新たな「政治犯」、それも健康な人々を見つける必要がありました。

中国では、チベット人やウイグル人など支配民族とは別の民族や、法輪功のような共産主義に反する精神修養を行っている人々が、迫害、投獄、拷問、臓器収奪の備蓄の対象となっています。

完全に極悪非道の犯罪です。

医師が血液やその他の特徴に基づいて人間を識別し、可能な限り最高の条件で臓器を移植するために、彼らを「備蓄」として刑務所や収容所に留めておくことは想像を絶します。中国の医療関係者や収容所の生存者の証言にもかかわらず、私たちフランス人やヨーロッパ人は、これらの残虐行為に無関心です。

現状を誤解せず、真実に目を向けてください。グローバリゼーションは、私たちの社会のあらゆるレベルで干渉しています。私たちは今、細心の注意で、安全を提供するための世界レベルでのルールを確立する必要があります。また、それを保証するために、国際的な保護と制裁を導入する必要があります。

しかし、最初の難点は、取り組むべき問題を明確にすることです。そして、まず、中国の指導者のメンタリティーと彼らに対する我々の甘さを把握することが必要だと思います。私たち、つまりフランスを含む西側諸国の国民と中国の指導者たちとは、知性の面で異なるソフトウエア上で機能しているのです。

Covid-19の恐ろしい流行と、その起源の真相が不明だという事実は、こうしたアプローチの違いに私たちの目を少し開かせてくれます。科学の分野でも起きているのです。

中国の指導者たちと同じ道徳観を持っていないことを示すもうひとつの例は、中国が多くのアフリカ諸国の利権を奪っていることです。この点を説明するために、ジンバブエの状況を挙げたいと思います。この小国は、ありとあらゆる人権侵害を行い、国を破滅させた独裁者ロバート・ムガベによって何十年も支配されてきました。早くも2002年には、国連がジンバブエの指導者に対して国際的な制裁を決定しました。しかし、中国はその都度拒否権を発動し、さらに、政治指導者への「贈り物」はもちろん、同国にさまざまなインフラを建設し、56億ドルもの借款を提供しました。ジンバブエには、金、プラチナ、クロム、ダイヤモンドの鉱物資源があり、おそらくレアメタル(希少金属)もあります。中国からの投資や各種の融資の大盤振る舞いは、同国が数世代にわたって中国に恩義を感じることを意味します。さらに、中国の指導者たちは倫理をほとんど顧みないので、国際社会がこれらの行為を非難しているにもかかわらず、アフリカのすべての対話相手に対して汚職を奨励しています。このようにして、彼らは多くのアフリカ諸国を骨抜きにし、この大陸の未来の世代の利権を奪っています。

したがって、中国の指導者たちの道徳観や倫理観のズレを私たちはすでに認識しているはずです。

私たちにとって自明な多くの基本的価値観、すなわち自由、考える権利、宗教を持つか持たないか、自分の道徳的・身体的な完全性が保護・尊重される権利、自らの将来を決める権利…実際には、1948年の人権宣言の尊重 ― これらすべてを今日の中国政権は全く気にかけていません。

しかし、中国は、多くの科学的分野でますます実績を上げ、より多くの領土と国々をその支配下に置こうとしており、避けることのできない経済的パートナーです。私たちの研究者、医師、研究所、実業家、学生たちが、科学や経済の交流を通じて、あらゆる倫理に反する中国側の非人間的な犯罪行為に、気づかずに加担してしまう危険性が大いにあるのです!

このようなリスクについて、科学界の目を開かせなければなりません。人間の臓器や他の身体の一部が売買されていることに、一般市民やメディアも注視すべきです。知らないうちにリスクを評価する機会もなく、私たちを脅かす行為だからです。

ですから、このイニシアチブを全面的に支持します。人類の本質的な規則である「生命と完全な身体の権利」に反する医療行為を警告し、枠組みを作り、制裁する最高レベルでの国際的な文書が今、求められています。

さらに付け加えれば、こうした悪用は、医学部、医療研究所、 臓器提供を支援する協会に周知させる必要があります。命を救うための臓器提供が、モラルに欠けた政治指導者によって悪用されることがあってはならないからです。

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5. Steve Chabot

スティーブ・シャボット

米国:下院議員 (共和党―オハイオ州)

オハイオ州議会第1区で25年にわたり議員を務める。司法委員会、中小企業委員会、外務委員会に所属。

【日本語訳】

米オハイオ州シンシナティの下院議員スティーブ・シャボットです。この度初めて開催される「生体臓器収奪の阻止と撲滅に関する国際サミット」で講演する機会を光栄に思います。私は、米下院外交委員会のシニアメンバーとして、また長年にわたり人権擁護活動を行ってきた者として、このサミットは極めて重要なものであると考えています。

我々の多くは以前から、生体臓器収奪という邪悪な行為と戦ってきましたが、一般の人々はこの恐ろしい行為を認識しておらず、その規模の大きさにも全く気付いていません。このサミットの開催により、「臓器の強制摘出に反対する医師会(DAFOH)」とパートナー団体は、あまりにも知られていないこの残虐行為に対して、一般の人々の注目を集めることになるでしょう。

ここでは、生体臓器収奪への認知度を高めることの重要性に焦点を当てて話したいと思います。申し上げるまでもなく、このような取り組みの最大の焦点は、依然として生体臓器収奪の主犯である中華人民共和国であります。

私は、下院外交委員会において中国問題を担う共和党の筆頭委員として、中国共産党(中共)の路線に合わせて世界を作り直そうとする中国の中央政権の動きを注視しています。

あらゆる面において、中国の中央政権は、すべての人により豊かで公平な生活をもたらす開かれた社会、自由市場、法の支配を重んじる自由主義諸国に挑戦しています。

近隣諸国に対する中国の領土的野心、横行する知的財産の窃取、国際貿易システムの操作、COVID-19の蔓延につながった秘密主義と隠蔽体質、またその他の数多くの問題からも、これらの挑戦の動きは明白に見て取れます。

しかし、中共の自由主義諸国に対する最も抜本的な挑戦は、人権の領域ではないでしょうか。実際、習近平は著書の中で人権を信じないと明示しています。むしろ、人権はブルジョア的な信条体系であり、中共のマルクス主義の理想が人権に取って代わると信じています。習近平のビジョンは、中共の血に塗られた歴史と相まっています。世界中の自由を愛する人々が大切にする価値観を踏みにじることによって、党を強固にし、すべての異論を封じ込めようとする絶え間ない奮戦によって汚された歴史であります。

中共は、天安門広場や香港において政治的権利を侵害し、グレート・ファイアウォールによって言論の自由を抑圧し、また明らかに、信教の自由という概念もすべて打ち砕いてきました。中共は、法輪功の撲滅だけでなく、キリスト教の抑圧、チベット特有の文化の根絶、ダライ・ラマの継承者の決定までをも、試みています。新疆ウイグル自治区では、この弾圧運動を全く新しい段階に引き上げ、ウイグル族やその他の少数民族を現代の強制収容所に大量収容し、奴隷化、レイプ、拷問を行っています。

共産党統治下の中華人民共和国が、中共とその徒党に健康と富をもたらすため、人類史上最も野蛮な行為に挙げられる臓器収奪をしていることは驚くべきことではありません。悲しいことに、中国での臓器収奪の規模と範囲は実に驚異的です。良く知られている推定によると、中国では毎年6万〜10万件の臓器移植が行われており、そのほとんどは臓器収奪によるものです。臓器の主な供給源は法輪功学習者です。

このような卑劣な行為により、ほとんどの先進国では聞いたこともない、事実上オンデマンドで臓器移植ができる体制を、中国は維持しています。このような野蛮な迫害の下、中国における法輪功学習者の数は減少しているため、中共が狙う次の臓器供給源はウイグル族ではないかと思われます。これはあまりにも邪悪な話で、信じられないと思われる方もいることでしょう。実際、私の同僚にあたる国会議員の中にもこう思う人がいます。このため、今回のサミットは際立って重要です。

ここ数年で、中共による国家ぐるみの生体臓器収奪を裏付ける証拠が、より明確になってきました。2019年、「中国(臓器狩り)民衆法廷」では、中国における法輪功学習者に対する広範かつ組織的な人権侵害を記録した最終裁定を発表しました。「中国(臓器狩り)民衆法廷」が文書化した中国による人権侵害は、これらの凶悪な行為を記録するために、最近、他の取り組みで得られた結果と一致しています。これらの報告書を総括すると、中共の人権に対する考え方は、文明世界のほぼすべての国と相反することが明らかになりました。

信じられないことに、中共は、人民とは国家と党に奉仕するために存在すると考えています。そのため、人命には本質的な権利があるにもかかわらず、中共は好ましくないと判断した個人から臓器を摘出することをためらいません。中共の世界観は、自由主義諸国の世界観とは根本的に異なります。中共は、あらゆる場面で我々の価値観を侵害し、自身の価値観を守ろうとしてきました。このため、一人ひとりの方がサミットに参加されることに、より重要な意義があります。世界で最も野蛮な人権侵害を暴くだけでなく、中国共産党の真の姿を暴く力になるからです。

最後にお伝えします。中国共産党の価値観に適合した世界とは、党路線に沿わない者は強制収容所に収容されるか、臓器を収奪される世界です。誰も住みたいとは思わない世界です。しかし、これは私たち全てが現在対抗している世界観なのです。

ご清聴ありがとうございました。

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6. Lord Hunt of Kings Heath

フィリップ・ハント卿

英国: 貴族院

労働党貴族院議員。1999年から2003年まで保健省の政務次官。2010年から2018年まで王立公衆衛生学会の会長。

【日本語訳】

この国際サミットでお話できることは大変光栄ですが、同時にこのようなサミットが必要であることは悲しむべきことです。

中国での生体臓器収奪問題に取り組もうと関心を持ったのは、英国で「オプトアウト臓器提供法案」(「オプトアウト」の訳注:臓器提供に反対の意思を残さない限り、臓器提供をするものとみなす制度)の発起人となってからのことです。オプトアウト法案は、現在英国で立法化されています。英国の国民にオプトアウト制度への信頼を求める上で、法改正を取り巻く倫理が最善であることは欠かせないというのが私の視点です。

ですから、初めて生体臓器収奪のことを耳にした時、おぞましく思いました。臓器提供は命を救う尊い行為です。生体臓器収奪は商業化された殺人であり、最悪の犯罪に数えられることは疑いありません。

生体臓器収奪について、貴族院で何度も発言してきました。喜ばしいことにかなりの貴族院議員は、この問題への支持を示しています。

今年(2021年)1月、貴族院全体からの大きな圧力を受け、『医薬品と医療機器に関する法案』(Medicines and Medical Devices Bill)に対する私の修正案が、生体臓器収奪に対抗する英国初の法律となりました。英国の医薬品に、臓器収奪の犠牲者から採取された人体組織が一切含まれないようにした修正案でした。

法改正において、小さいながらも重要な一歩でした。このおぞましい犯罪の共犯者にならないように、まだ英国ですべき仕事は始まったばかりです。この改正が、英国そして世界での今後の立法における前例となるよう期待しています。

さらなる立法のため、英国での取り組みを続けていきます。今年の5月、私の議員立法案「移植ツーリズムと遺体展示に関する法案」が提出されました。この法案は、「ヒトの組織に関する法」を以下の二つの方法で修正することで、英国市民がさらに生体臓器収奪の共犯となることを防ぐ役割を果たします。

第一に、英国市民が中国のような国を渡航移植に訪れることができなくなります。法案の文言では国家は特定していませんが、適切な合意があり強制的でなく金銭上の利益がないことを前提とする特定の制限が設けられています。

第二に、中国から遺体を調達するおぞましい人体展の巡回に終止符を打ちます。

私は、英国バーミンガム出身です。2018年、イマジン・エクシビションズ開催の「リアル・ボディーズ」展が、バーミンガムのナショナル・エクシビション・センターで開催されました。組織細胞にシリコンを注入しプラスティネーション加工された実物のマネキンを陳列した、遺体と人体部位の展示です。広告には「敬意をもって保存された実際のヒトの標本を用いて、人体の複雑な内部構造を、考えさせられるような新たな視点で探索します」とあります。しかし、少し掘り下げると、これらは中国の大連ホッフェン・バイオテク社から供給されたもので、身元確認も同意書もない引き取り人のいない遺体でした。

人体部位の商業的な利用は、どのような形でも非倫理的であり、いかがわしいものです。それが、権威主義国家の大量殺戮と結びついたとき、我々は傍観できません。

2019年、国際刑事法の分野での功績で受勲されているジェフリー・ナイス卿が率いた「中国(臓器収奪)民衆法廷」は、下記の結審を出しています。

「本法廷の判事団は全員一致をもって、合理的な疑いを超えて、中国でかなりの期間、極めて多くの犠牲者に対して、良心の囚人からの臓器収奪が行われてきたことを確信する」

「法輪功学習者がおそらく主な臓器源である」

「ウイグルに関しては、本法廷は大規模な医療検査の証拠を得た。他の用途もあるが、ウイグル人が『臓器提供バンク』となりうる検査である」

現在(2021年9月)、同じくジェフリー卿が率いる「ウイグル法廷」では、さらにウイグル人からの臓器収奪の可能性に関する証言を聴取しています。ウイグル人拘束者すべての血液型、肝臓の検査の詳細を収めた医療ファイルを、ウイグルの収容所で働いている際に見つけたという証言もありました。イーサン・ガットマン氏は自身の調査と2020年12月に発表した報告書について同法廷でも証言しています。

それでは、この犯罪を止めるために国際的に何ができるでしょうか?

スペイン、イタリア、台湾、イスラエル、ベルギー、ノルウェー、韓国では、中国への渡航移植を防ぐ立法が導入されています。世界の多くの国々が、生体臓器収奪に反対する声明を出し、決議を通過させてきました。マグニツキー法による加害者の制裁は、今後重要な役割を果たす可能性があります。大学、医薬系の企業・機関も、共犯者とならない立場をとって、生体臓器収奪に抵抗すべきです。

さらに多くのことが行えます。

国際的な政府の活動は継続しなければなりません。何の罪もない人々が、このような恐ろしい犯罪の犠牲になっている現在、行動を起こすことは我々の義務です。

生体臓器収奪を撲滅する法の制定に、多くの国で長い時間がかかりました。あまりにもひどい話であるため、実際に犯罪が行われているのか、長い間疑われてきました。中国政府は常に犯罪を噂として否定しており、世界保健機関(WHO)もこれを支持しています。

しかし、WHOは中国の移植制度に対して独自の査定はしておらず、中国による自己査定を根拠にしてきたことが、2019年に英国政府により明らかにされました。WHOは、国家が国際規範に準じているかを評価する専門家による独立した査定機能を持ち合わせていません。報告だけが求められています。

何年にもわたり、臓器収奪は積み重ねられ、告発者が出てきました。証拠は莫大にあります。移植・臓器提供に関する統計分析、おとりの電話調査の無数の録音、法的・政治的な声明、政府と党の慣行、広告、大学・軍の職員による自認、数多くの個人的な証言などです。これほどの莫大な量の証拠を照合し評価していくのは容易なことではありません。

しかし「中国(臓器狩り)民衆法廷」のおかげで、政府の多くの者が、生体臓器収奪問題を真剣に受け止めるようになりました。判事団は入手できる証拠全てを12ヶ月にわたり査定しました。一国の政府が時間的にこなすことのできないタスクです。

私の議員法案は、貴族院に提出されました。通過までまだ道のりがあります。議員法案は会期中に貴族院と庶民院の両方で通過させるだけの時間がとれないからです。実際、私の法案は3回提出されましたが、会期ごとに振り出しに戻っています。ですから最善の方法は、この法案がかなり支援されていることを政府に認識させ、政府の法案を作成してもらうことでしょう。政府が後押しする法案になれば、必要な手続きははるかにスムーズに進みます。ですから、法改正の実現には、専心する政治家と活動家による献身的な支援が必要です。 

このイベントを通して、世界の多くの人々がこの犯罪に対して積極的な行動を起こすきっかけになることを願っています。

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7. Hermann Tertsch del Valle-Lersundi

ヘルマン・テルシュ・デル・バレ=ルスンディ

スペイン:欧州議会議員

現在、ユーロラット代表団の副団長。欧州議会の外務委員会および環境委員会のメンバー。ジャーナリスト、特使、外国特派員として、ニュースメディアで幅広く活躍し、欧州議会賞をはじめ、数々の賞を受賞。

【日本語訳】

皆さん、こんにちは。

私はスペインVOX党の欧州議会議員、ヘルマン・テルシュです。私は欧州議会で、さまざまな国際政治問題に専念していますが、その中でも、私たちが非常に懸念し心を動かされている問題があります。事実の背後に隠されたこの一大悲劇は、厳しく過酷な現実です。

中国で中国共産党の独裁政権のもとで行われている生体臓器収奪の問題です。

私たちは、何千件もの移植が行われているのか、どれだけの社会的階層や社会的区分が影響に影響が及んでいるのかは分かりません。しかし、例えば、法輪功が多大な影響を受けていること、政治犯全般がいつでも生体臓器収奪の対象として即刻処刑される可能性があることは知っています。

生き続けるために臓器移植が必要で、臓器のために進んでお金を支払う外国人や中国人に臓器を供給するためです。この残虐行為、この恐ろしく間違った行為が、年に何千回も何万回も起こっていることは知られています。

この恐ろしく間違った行為は、私たちが全く正常な関係を築いている国で起こっています。冷酷な共産党の最高指導者である独裁者のいる国で起こっています。、反対意見や自由な批判を一切許さない独裁政権です。独裁者である習近平が、例えばダボス会議に出席すると、大企業や資本主義の大物たちが、中国の独裁者にひれ伏し、彼の功績や現在の問題に対する彼の解決策、効果的な解決策に拍手喝采します。彼らの本音は、人命と自由を軽視し、臓器収奪という恐ろしい犯罪に手を染める独裁国家だから、こうせざるをえない、というものです。

何とかしなければなりません。何かがなされなければなりません。

皆、知っていながら、なぜ、世界中のテレビで放送されないのでしょうか。なぜ、このような恐ろしく間違った行為についての番組を作らないのでしょうか。

世界には認められていない多くの犯罪に対して、沈黙の協定があるのかもしれません。ですから、脚光をあびる犯罪と、まったく注視されない犯罪があるのでしょう。

あるいは、特定の政治家の犯罪や軽犯罪が、恐ろしい重罪とみなされ、別の政治家の全く同じ軽犯罪が、非常に軽微でとるに足らない犯罪とされることがあります。

世界のコミュニケーションを支配しているメディア界の基準は、この50年間で、一つの方向だけに限られるようになりました。この一方的な捉え方の中で、中国の独裁政権が犯した犯罪がこのようにとるに足らないニュースとして扱われてきました。

現実に忠実で正当な形で、多くの人に正しく率直に報道された最後の事件は、1989年7月、天安門で何千人もの学生が戦車で虐殺された時のものです。学生たちは自由を求め、権利を求め、尊厳ある生活を求め、表現の自由と個人の自由を求めていました。

彼らは殺されました。そして、巨大な鉄板が、「情報」の上に、学生たちの運命の上に、戦車の列の前に立った匿名の中国の英雄の運命の上に、覆いかぶさりました。今日でも私たちの心に刻まれています。

その映像さえもネットワークから消え去りつつあります。32年前のあの悲劇について何も見つけることができないのは中国のネットワークだけではありません。欧米のメディアでも見つけることができません。中国の欲望、あるいはダボス会議で習近平に拍手を送る人たちのような中国の多くのパートナーの欲望によって、消え去られています。大手テクノロジー企業や大手ネットワークの大物たちであり、私たちはすべての名前を知っています。

なぜ彼らは皆、中国共産党政権を糾弾することには無関心で、中国の犯罪行為を大目に見るのでしょうか? 中国で多くの製品を製造し、多くの経済的関係を築き、その中国モデルに感心し、同様のモデルを自分たちも採用したいと考えているからです。

民主主義の欧米では責任を問うことができますが、彼らはそれを好まず、大きなグローバリズム体制を好みます。そこではすべての人が匿名で交換可能です。ある人から臓器を奪い、より高値の入札者に渡したり、何らかの理由で自分たちに都合のいい人に渡します。

これは大きな問題です。西側のエリートたちが、目前の経済利益を考慮して中国共産党や中華人民共和国の政権に加担し、恐ろしく間違った移植手術を隠蔽しているのです。政治犯や一般囚、法輪功の人々、反体制派が連れ去られています。何千人が犠牲になっているのか分かりません。

13億人の中国人には権利がなく、中国共産党政権の厳格な指示に敷かれ、踏み躙られています。これを皆が受け入れているようです。

同じ政権が、世界中にウイルスを撒き散らし、地球を麻痺させました。ライバルの経済大国が麻痺し続ける中で、中国は成長を続けました。そして、ウィルス源として疑われることを許しませんでした。

不確実なことばかりの世界ですが、私たちにとって常に明確であるべき確かなことは存在します。生命の尊厳を切望するのであれば、生体臓器収奪のような残虐で不正な行為、加害者(それが誰であれ)と戦わなければなりません。私たちは団結して声を上げ、中華人民共和国に、中国の独裁者に、そしてこの中国の独裁者の同盟国すべてに、生体臓器収奪は耐え難いことであり、 我々の我慢の限界を超えていることを伝えていかなければなりません。

ご清聴ありがとうございました。

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8. Robert Spalding

ロバート・スポルディング

米国:退役 米国空軍准将、米国国家安全保障会議上級部長

米空軍に25年以上奉仕した後、准将として退役。ペンタゴンの統合参謀本部議長および統合幕僚監部の元中国戦略官。国防高官および駐中国防衛官も務めた。ミズーリ大学で経済学と数学の博士号を取得。中国語に堪能。

【日本語訳】

戦争とは他の手段による政治

本日、ここで皆様にご挨拶できることを光栄に思います。

私は30年近く、戦争について訓練・研究・計画・熟慮してきました。そして基本的に、戦争は政治的行為です。クラウゼヴィッツは「戦争とは他の手段による政治の継続である」と語りました。

つまり、政治的な目的を達成するために軍事力を行使することを訓練され、教えられ、仕事をしてきたのです。しかし、今日、戦争はグローバリゼーションとインターネットによって、根本的に異なるものへと変貌を遂げました。

戦争とは政治的影響力のことであり、相手に影響を与え、他の方法では望まない政治的立場を採用させることであう。クラウゼヴィッツは、戦争とは他の手段による政治であると指摘しました。

そして今日、私たちは情報と金融の活用によって、別の手段で政治を見ることになりました。しかし今日になっても、これまで何百年もの間、世界中の政府が行ってきたことと何ら変わることなく政策が決定されています。有権者、あるいは資金提供者の影響を受けた政治家が、政策を決定しています。

冷戦の終わりに、ソ連と戦うために団結した自由主義世界、民主主義諸国が、「本質的に戦争は終わった、思想のための戦争は終わった」と語りました。どのような政治体制が優れているかという戦争は終わったという意味です。そして事実上、世界は自由な民主主義こそが人類を進歩させる最良の方法だという立場を採用することになったのです。

そのために、社会、経済、貿易システム、金融システム、学術システム、政治システムへの門戸を、権威主義的な政権に開放しました。これらの政権が富を得れば、自由民主主義の原則を採用すると見越していたからです。

そして、グローバルなインターネットの台頭、iPhoneの登場によるモバイル経済、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディア・プラットフォームが、この民主主義の世界の到来を後押ししてくれると思われました。

そして実際、旧ソ連諸国が民主化し始め、筋書き通りになるように見えました。ソビエト連邦が崩壊し、 民主主義が台頭しました。そして、こうした要素の多くは、典型的な市民が、ソーシャルメディア・プラットフォームを使って協力し、コミュニケーション、コラボレーションすることによって促進されたのです。

しかし、その後、権威主義的な政権によって、何が起こっているかが認識され、その力を権威主義のために利用しようという決意が生まれました。

このような政権によって、動的な爆弾・弾丸による戦争から、情報・金融の戦争へと変えていく力が生み出され、テクノロジーやグローバル経済がこれに適応されました。グローバル経済のソーシャルメディア・プラットフォームを活用して、自分たちに有利になる政治的な結果をもたらすことができるようになりました。

事実上、2020年のコロナウイルスの蔓延から、このことは顕著になりました。

例えば、ロンドン大学インペリアルカレッジが発表した、コロナウイルスによって200万人のアメリカ人が死亡するという報告書は、中国のプロパガンダによって誇張されました。中国の路上で人々が倒れる映像とともに、恐怖とパニックを生み出すために使用されたのです。中国では特定のプラットフォームの使用が許可されていません。(訳者補足:このため、このような情報の合成が容易にできます。)

さらに、中国共産党がソーシャルメディア・プラットフォームを利用して、人口の1%未満しか死亡率のない病気の蔓延を防ぐために、世界的なロックダウンの導入を促し、さらに炎上させたという証拠があります。

一方、疾病管理センターやその他の国際医療機関は、病気にかかりやすい人が自主的に隔離するように呼びかけていましたが、この監禁措置を普遍的に採用し、経済的な破局を招きました。

つまり、グローバル化、インターネットによる大規模な政治戦争が行われているのです。

ウイグル人の大量虐殺、香港の人々の監禁・管理、法輪功の大量監禁と臓器収奪、中国人の特定の少数派、特に中国共産党が恐れている人々への徹底した弾圧などに対する状況の把握を鈍らせ、批判をかわすために、同様の政治戦が用いられています。

中国共産党は、国際秩序からあまり反発を受けずに香港を封じ込めることに成功してきたと感じているため、今後数年のうちに台湾でも同じようなことが起こるのではないかと危惧しています。

どのようにして、このようなことが起こるのでしょうか。どのようにこの政治的影響力が私たちの社会に広まっていくのでしょうか?

主に、中国市場と中国金融の市場プールを利用しているのです。米国企業や多国籍企業は、中国でのビジネスや中国からの投資を得るという点で、影響を受けることになります。その見返りとして、中国は、米国企業や多国籍企業の政治システムに影響を与えようとします。米国企業は米国の政治プロセスに影響を及ぼします。ドイツや他の民主主義国でも同様です。中国での事業、中国との事業、中国からのお金がもたらす利益を見込んでいます。

国内での政治的な反発は、その国の経済界の重圧に押し返されることになります。第二次世界大戦後、私たちがより良い世界を作るために作った人権、市民の自由、法の支配を正式に支持していた国々が、中国共産党に奨励され、より権威主義的な原則を採用しているのです。

時の経過とともに、私たちがこのプロセスを把握し補正し始めない限り、権威主義は増していくことでしょう。

どうすればいいのでしょうか?

アメリカの国家安全保障戦略では、この点に焦点をあてた3つのイニシアチブをとっています。

ひとつはデカップリングです。政治、学術、金融、経済・貿易システムにおいて中国共産党との間に距離を置き、アメリカの自由市場経済が他の民主主義国家と協力して、自由な社会の市民の繁栄を促進するようにするためです。

二つ目は、過去25年間に中国に流入したイノベーション、テクノロジー、人材、資本を、自由な社会に流入させ、それらの国々の繁栄と生産性を高め、雇用を確保し、子供たちが自分たちより良い生活を送り、家を持つようにすることです。かつて、アメリカン・ドリームの一部と考えられていたことです。

具体的には?インフラ、製造業、科学技術、STEM教育、以前に国家として投資していた同盟国やパートナーなどに目を向けることや投資することを意味します。

そして三つ目、最後は、他国が民主主義の原則を採用するよう促していくことです。これは、民主主義国家の市民が繁栄を手にし、私たちがアメリカンドリームと呼ぶものを実現するために役立ちます。

お時間をいただきありがとうございました。ご質問をお待ちしております。

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