中日友好病院で6歳男児に2週間待ちで肺移植 「中国なら可能」

中日友好病院で6歳男児に2週間待ちで肺移植 「中国なら可能」

中日友好病院の泌尿科主任による、両肺移植手術のドナーについての情報(左)(微博スクリーンショット)

  北京にある中日友好病院で2月末、白血病を患う6歳の男児・範裕喆くんは、肺移植手術を受けた。中国国内報道によると、病院は男児の入院からわずか2週間後に、男児に適合する脳死の子どもドナーの「両肺が見つかった」と家族に連絡している。通常、死体からの肺移植には大人の場合でも10年以上の待機時間を必要とする。 人民日報など官製メディアは、この移植手術について「中国で最も幼い児童の両肺移植手術の例」と報道した。手術を担当したのは、無錫市人民医院副院長・陳静裕医師。全国人民代表大会の代表(国会議員相当)でもある。報道によると、北京の人民大会堂で開かれていた会議の期間中だったが、手術のために休憩時間を利用して、病院へ駆けつけたという。 裕喆くんが中日友好病院に入院したのは2019年2月11日。病院は同月27日には両親に対して、「移植できる肺が見つかった」と連絡し、翌日には手術が行われた。手術時間は4時間半。手術は成功したと発表されたが、3カ月後、裕喆くんは多臓器不全で亡くなった。 中日友好病院の泌尿科主任・楊志豪氏は微博で、裕喆くんへの肺のドナーは「12歳、身長141センチ、脳死」だと明かした。 大紀元はこのほど中日友好病院に、「2週間足らずで移植手術を受けることが可能なのか」と問い合わせた。職員は「中国ならば可能」と答えた。 中国共産党政府が2007年制定した臓器移植に関する法律「人体器官移植条例」によれば、「いかなる形式でも臓器売買とそれにかかわることは禁止する」とある。また、中国の医療機関が観光目的で入国した外国人に移植手術を施すことは禁じている。 いっぽう、例外として、大使館を通じて外国人に移植手術を行うというケースもある。2018年に公開された韓国メディアの調査報道番組によると、中国国内で最大規模の移植手術施設を備える、天津第一中心医院の東方臓器移植センターに勤務する朝鮮族の看護師は「外国人の患者は大使館を通じて、移植手術を受けている」と述べた。 中日友好病院の職員は、同病院にも以前、外国大使館が移植手術希望患者への手術の許可を求めたが、断ったと回答した。 中国では今もなお、臓器移植までの待機時間は「1~2週間内を保証」という異例の早さで移植手術が行われている。10年来、中国の臓器強制摘出について調査を進める追査国際(WOIPFG)は2018年12月、上海や天津、北京の主要な認定移植病院などに対して行った電話調査結果を発表した。回答を得られた病院院長や移植プロジェクトの主任の多くが、待機時間を「1~2週間」と述べた。 中国当局は1984年10月、死刑囚の臓器を移植に使用することを許可した。国際社会の批判を受けて2015年、死刑囚の臓器の利用を停止すると発表した。しかし、中国全土の移植病院の移植件数は推定6万~9万件に維持されており、公式ドナー登録者を大幅に上回る臓器の供給があることから、収容者からの臓器強制摘出は続いていると考えられている。 人道犯罪について第三者による調査と結果を示す「民衆法廷」の中国臓器収奪問題・最終裁定が6月17日、英ロンドンで開かれた。民衆法廷の議長を務める元検事総長ジェフリー・ナイス卿(Sir Geoffrey Nice)は、中国本土では「強制的な臓器摘出が、相当な規模で行われている」と結論付けている。 (文・佐渡道世) (転載:https://www.epochtimes.jp/p/2019/09/47465.html

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