2020年1月20日、中国における臓器移植を考える会(SMG Network)、韓国臓器移植倫理協会(KAEOT)及び台湾国際臓器移植関懐協会(TAICOT)が共同で「東京宣言」を行いました。
《生物学と医学の応用に関する人権及び人間の尊厳の保護のための条約》を念頭におき:《人権及び生物医学に関する条約》(1997年、ETS第164号)及び《ヒト由来の臓器及び組織の移植に係る人権及び生物医学に関する条約に関する追加議定書》、ETS第186号);
《欧州評議会の臓器売買を取り締まる国際条約》の目的とは、特定行為を犯罪行為に定めることによる人体臓器の闇取引を防止及び撃退することを考慮し、被害者の権利を保護するとともに、人体臓器の闇取引を反対する取り組みに国内的及び国際的な協力を促進することであるとします。
中国の臓器移植システムは世界保健機関があげた臓器調達経路の透明性とトレーサビリティーの要求に符合しないことを鑑み;
2006年、カナダの人権弁護士デービッド・マタス(David Matas)及びカナダ前アジア大洋州局長のデービッド・キルガー(David Kilgour)は、中国で監禁された法輪功学習者から臓器収奪が行われたという疑惑に対して独立調査を行い、法輪功学習者はその臓器収奪により殺害されたという結論に至ったことを鑑み;
2019年、旧ユーゴスラビアの国際戦犯法廷(ICTY)で議長を務めたジェフリー・ナイス・QC卿は、ロンドンの民衆法廷(中国法廷)の裁判長として、中国において臓器移植のため囚人が殺害されることが続いており、その犠牲者には監禁された法輪功学習者が含まれているとし、中国は法輪功学習者及びウイルグ人に対して、人道に反する罪を犯しているという発表を鑑み;
国連拷問禁止委員会と、拷問及びその他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取り扱い又は刑罰にあたる行為問題に関する国連特別報告官は、囚人からの臓器収奪疑惑に対して懸念を表明しており、中国政府に対して、臓器移植システムについての説明責任と透明度を高めるよう、そして、臓器移植濫用者を懲罰するよう呼びかけたことを鑑み;
拷問及びその他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取り扱い又は刑罰にあたる行為問題に関して、前国連特別報告官マンフレッド・ノーワック及びカナダ独立調査員デービッド・マタス、デービッド・キルガーが要求した臓器供給源の情報について、中国政府は十分に説明できなかったことを鑑み;
臓器売買のために宗教信仰者や政治犯を殺害することは、生命の基本的権利に対する重大かつ容認し難い侵害であることを鑑み;
人体臓器の闇取引及び臓器収奪の撲滅に大きく貢献することを決心し、現存国際法に対して補足説明するために新しい形態の犯罪パターンを取り入れることにします;
人体臓器の闇取引がもたらした世界的脅威を認識して、強い国際間協力を勧めるべきです。
以下のように宣言します。
- 中国政府に以下を要求する:
- 法輪功学習者への弾圧、監禁、虐待を中止すること;
- 全ての囚人に対する臓器収奪を中止すること;
- 臓器移植事業に従事する軍隊系統を排除すること。
- 合法のドナーシステムを構築すること(全ての臓器提供者は書面による合意が必須。また、これらの合意書は国際人権調査官が検査する際に提供されるものとする);
- 国際調査のために全ての収容所と拘置所を開放すること。
- 医療従事者は臓器移植手術を行う患者が中国に渡航することを思い止まるよう積極的に勧めることを強く求める。
- 全ての政府に対して、臓器移植又は身体組織移植の訓練を求める中国医師らにビザを発行しないことを強く要請する。
- アジア、アメリカ、EUの医師らに対して、移植手術のトレーニングを行うために中国に渡航しないことを強く要請する。
- 全ての医学雑誌に対して、臓器移植の経験に関する中国の研究論文を掲載しないことを強く求める。
- アジア、アメリカ、EUに対して、域外法を制定し、合意のない臓器移植行為に参与する者に刑事懲罰を与えることを強く要請する。
- アジア、アメリカ、EUの政府に対して、臓器の闇取引又は臓器収奪に参与する者の入国禁止を強く要請する。
- 各国は死亡したドナー及び生体ドナーからの臓器提供に関する法規を国際基準に則り定めることを促す。
- 各国は患者に対して、移植ができるように公平に機会を提供すると共に、全ての関係当局と協力し、人体臓器の不法収奪に関する情報を収集、分析そして、交換し、医療専門家及び関係者にこれらの情報を提供し、訓練を強化することを強く勧める。
- 各国に対して、人体臓器闇取引の違法性と危険性に関する啓発キャンペーンを促す。
- 上記目標を達成するために、アジアの法律専門家、医師、医学倫理専門家を招き、「中国臓器移植濫用に関するアジア諮問委員会」を設置する。
中国における臓器移植を考える会(SMG Network)/日本