臓器濫用及び移植ツーリズムについて考える
-2008年イスタンブール宣言から11周年を記念して-
アジアシンポジウム開催のご案内
拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、このたび「臓器濫用及び移植ツーリズムについて考える」アジアシンポジウムを開催することになりましたので、ご案内申し上げます。
アジア各国は文化的、宗教的な影響で、臓器提供の比率が欧米諸国と比べてはるかに低く、移植手術までの待機時間が長期に及ぶ場合も少なくありません。そのため、アジアの患者(日本人を含む)の多くは中国、パキスタン、フィリピンなどに渡航して移植手術を受けています。臓器移植の需給バランスが崩れた今、闇の臓器売買、臓器移植ツアー、臓器の仲介並びに死刑囚や良心の囚人から本人の意思に反して臓器を収奪するなどの問題が生じ、国際社会で注目されるようになりました。
近年、特に2008年のイスタンブール宣言以降、各国の医学界と法曹界は、海外での臓器移植問題について徐々に共通の認識を形成してきました。2010年、マドリード決議で「政府は臓器の自給自足を促し、移植ツーリズムを制限する責任がある」と強調しました。イスラエルやアジアの国々も今、新たな政策を打ち出し、臓器移植ツーリズムを大幅に減少させるとともに、国内の臓器供給数を増やす努力によって、良い結果を生み出しています。
このたび、アジアにおける臓器濫用及び移植ツーリズムの状況とその問題点を提起し、今後の法改正について意見交流を行うために、下記の通りシンポジウムを開催することになりました。
記
日時 令和元年11月30日(土) 10:00~17:00
会場 東京大学 山上会館 大会議室
主催 日本 移植ツーリズムを考える会 SMGネットワーク
台湾 TAICOT(台湾国際臓器移植関懐協会)
韓国 KAEOT(International Association for Ethical Organ Transplants)
内容 日本、韓国及び台湾の医学界、医学倫理界、法曹界の専門家による論文発表
パネルディスカッション
以上
何かとお忙しい事とは存じますが、万障お繰り合わせの上、ご参加下さいますようお願い申し上げます。
敬具
令和元年10月吉日
(連絡担当) 移植ツーリズムを考える会
〒108-0075 東京都港区港南4-7-1-1206
050-5360-2345 info@stop-oh.org
アジアシンポジウム
式次第(案)
時間:11月30日(土)10:00~17:00
会場:東京大学(本郷キャンパス) 山上会館大会議室
開会の辞
加瀬英明
セッション1 2008年イスタンブール宣言及びそれ以降の世界情勢
カナダ:デービッド・マタス(人権弁護士・2010年ノーベル平和賞候補者)
セッション2 アジアにおける臓器売買及び移植ツーリズムの状況
<座長> 蔡甫昌
日本:野村旗守(ジャーナリスト)
台湾:黄士維(台湾大学、附属病院泌尿科)
韓国:韓煕哲(高麗大学校、医学部医学系教授)
セッション3 臓器売買及び移植ツーリズムにおける倫理学問題
<座長> 未定
台湾:蔡甫昌(台湾大学、医学部教授)
韓国:金昭允(延世大学校、医学部医学倫理学教授)
セッション4 アジア主要諸国の臓器売買及び移植ツーリズムに対する法律改正の状況
<座長> 朱婉琪
日本:大滝恭弘(帝京大学、医学部教授)
台湾:朱婉琪(弁護士<アメリカ・台湾登録>)
韓国:金松(裁判官)
カナダ:デービッド・マタス(人権弁護士・2010年ノーベル平和賞候補者)
セッション5 パネルディスカッション
<司会> 丸山浩章
閉会の辞
黄士維